母指CM関節の施術について

カラダのこと 手(上肢)

横浜市鶴見区、ながとも接骨院です。
今日はCM関節という親指の関節の痛みについてお伝えしてゆきます。

長友芳之
長友芳之

動画でも同じ内容で説明していますので、動画の方が良い方はこちらをご覧ください

※施術者としての個人的な意見も含んだ内容になりますので、お読みになる際はご留意ください。

1 CM関節とは

左手をモデルに説明してゆきます。

下のイラストの丸のあたりがCM関節です。

手の部分の骨はこのようになっています。

結構多くの骨で構成されているのがわかります。

手の中だけで30個近くの骨があるんです。

CM関節に関係するのは以下の2つの骨

親指の付け根の部分にある骨

青く色づけした骨は第1中手骨(だいいちちゅうしゅこつ)

ピンク色の骨は大菱形骨(だいりょうけいこつ)

といいます。

この二つの骨の間の関節が Cm関節(しーえむかんせつ) です。

2:なぜ痛くなるのか

何かをつかむ・握る という動作の時に親指は必ず使いますので、その付け根のCM関節部分は
使い過ぎによる痛みが良く発生します。

特に女性の場合は、年齢とともにエストロゲンというホルモンが徐々に低下してゆく関係で、
骨の密度・強度が低下してゆきやすい為、
それに伴って骨の変形・関節の変形が起きやすいとされており、そういった変形が起こりやすいのがこのCM関節でもあります。

基本的に手を良く使う方に起きやすい症状です。この辺りは他のサイトなどでも詳しく説明されていますので、割愛します。

3悪化させないために大切な事

当院で患者さまにお伝えしている、CM関節が痛いときの対処のポイントとしては、2つあります

①痛い時に無理をしないこと

完全に使わなくするのは多くの場合難しいので、使用量を減らす という風に考えていただくとよいです。

  • サポーターをつけて動かないようにしたり
  • 包帯で固定をすると言う方法
  • 反対側の手を使うようにしたり

使い方を見直していくと言うことも1つの方法だと思います。

体の痛みと言うのは

『これ以上使うと壊れてしまいます』

と言うサインなことが多いので、

痛みが出た時は、基本的にはあまり無理をしないようにしていただいた方が炎症が引きやすいです。

※長期間、痛みがある状態でいると、神経の作用で痛みが勝手に暴走して患部はそこまで悪くないのに痛い という状態になっているケースもあります。

そのようなケースでは多少痛くても、少しずつ動かしていったほうが良いケースもありますが

基本的には、急に痛くなったような時や、痛みが強くて動かすのもつらい という際はあまり無理をしないほうがいいと考えています。

②痛みが引いてきたら徐々に動かす

痛みが強い時期を乗り越えたら徐々に使ってゆきます

この時に、以前とまったく同じような使い方をしてしまうと、また痛みが出てくる可能性が高いです

ではどのように使ったらいいのかといいますと、

ポイントは

インナーマッスルとアウターマッスルをバランスよく使うということ

あとは、タイトルの通り

徐々に負荷を強めてゆく

という事になります。

インナーマッスルとアウターマッスルについて

Cm関節にかかわる筋肉には様々なものがあります。

手の筋肉 ※一部を描いています。

青い枠でかこった部分が親指を動かす筋肉たち

赤い枠でかこった部分が小指を動かす筋肉たち

で、その筋肉をインナーマッスルとアウターマッスルに分けるとこのようになります。

赤く塗った筋肉がアウターマッスル

青く塗った筋肉がインナーマッスル

このインナーとアウターという概念は肩関節や体幹部などではよく説明されますが

あまり指の関節に当てはめて説明はされていないと思います。

インナーというのは関節から近い部分にくっついている筋肉

アウターと言うのは関節から離れたところにくっついている筋肉

として説明しています。

今回説明している指の関節に限らず、カラダにおいてインナーマッスルは関節を安定させる作用があります。

対してアウターマッスルはインナーマッスルが安定させてくれた関節をさらに強く、大きく動かすような作用があります。

アウターマッスルは力強い動きを行える半面、アウターマッスルだけの使い方になると、関節に対する負担が大きくなる性質があります。

なので、インナーマッスルをしっかりと使いながら、力の強いアウターマッスルを収縮させるようにすると、関節はとても効率的に、力強くかつ安全に動くことが出来るのです。

関節が痛いと言って見える患者様の多くが、インナーマッスルをあまり使わずに、アウターマッスルの方ばかりを使うようになってしまっているケースが多いです。

なぜそのようになるかと言うと

そのほうが楽だから

です。

ただ、その方が楽にいろいろできるんですけれども、関節にはすごい負担がかかっています。

なので一時的にそのような動きをするだけなら良いのですが、

その行い方で長い期間使っていると、だんだん関節に負担がかかり、変形のもとになったりします。

なのでそのようにならないためにインナーマッスルと言われる筋肉をしっかりと使う必要があります。

母指CM関節に関係するインナーマッスル

ここで具体的に例を挙げますと、このCM関節のインナーマッスルは

  • 第1背側骨間筋(だいいちはいそくこっかんきん)
  • 母指対立筋(ぼしたいりつきん)

という筋肉になります。

この筋肉たちは、CM関節の先、中手骨の根元にくっついていて関節が動くときに、他の筋肉に先立ち関節を安定させる作用があると考えられます。

運動療法としては、こういった筋肉を意識しながら使う練習をしてゆきます

以前投稿した動画でもこういった筋肉のトレーニングをお伝えしています。

難しいのが どこまで運動していいのか という部分です。

その方の関節の状態や体質などを見た上で、

これぐらいまでだったら行って大丈夫そうだ

といった部分を判断しながら行っていくことになります。

先ほどご紹介したYouTubeのCM関節運動動画は

炎症がある方が行ってしまうと痛みが強くなってしまう可能性があります。

なので、あくまでも段階的に、すこしずつ痛みの出ない範囲で施術を進めてゆくことが大切です。

今回は当院でのCM関節の施術ポイントについてお伝えして参りました。

CM関節のリハビリに関しては明確な施術方針というものがまだ定まっていない印象があります。

当院でも、試行錯誤を重ねつつ行なっているのが現状です。


なので、通っていただいたら絶対に治します!


とかそのようなコメントはできませんが、

少しでも楽な状態に近づけるようアドバイス、施術を心がけています。

お困りの方はぜひご相談ください。




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