音楽のライブやスポーツの現地観戦は、現地でしか味わう事の出来ない感動や興奮があります。
ただ、熱中するあまり、普段とは違う身体の使い方で痛めてしまうこともあるようです。
ここでは、ライブやスポーツの現地観戦にまつわるカラダのトラブルをご紹介します。
この記事を書いた人

長友 芳之(ナガトモ ヨシユキ)
柔道整復師・JSPO-AT
神奈川県横浜市鶴見区『ながとも接骨院』にて活動中。
※施術者としての個人的見解も若干含んだ内容ですので、お読みになる際はご留意ください。
ライブで肩を痛めた患者さんの話
ライブの最中、腕を振り上げる動作で痛くなった

某アーティストの推し活をしているAさん
ある日、待ち望んだライブでボーカルの方の掛け声に合わせて肩を大きく振った際に、痛くなってしまいました。

翌日接骨院に見えて、施術させていただきましたが、同じような症状に悩まされている方も多いかと思いましてご本人の許可を得て共有させていただきます。
痛めている場所
この方が痛めていた場所は以下の場所になります。
腱板損傷けんばんそんしょう

肩のインナーマッスルの腱を痛めてしまう腱板損傷という状態があります。
肩を上げた時の痛みや、上げようとしてもうまく力が入らなくなったり、急に力が抜けたりする症状です。
今回のように比較的若い世代の方で発症する場合は、転倒して痛めたとか、スポーツなどで痛める事が多いですが、ご年配の方ですと知らず知らず損傷を受けていたりすることもあります。
腱板損傷について、以前書いたブログ記事はこちらになります。→https://ameblo.jp/nagatomo-sekkotu/entry-12653163128.html

今回の方は各種検査の結果からこの腱板損傷を起こしていることが推測されました。
他にも、似たような症状に以下のものがあります。
インピンジメント症候群しょうこうぐん

腱板損傷に似ている症状に、腱板が損傷するまでは至っていない状態でインピンジメント症候群という症状もあります。
インピンジメントとは、何かと何かがぶつかる、挟み込まれるという意味合いだそうです。
この場合、うでの骨と、肩甲骨の間にインナーマッスルの腱がが挟み込まれたりすることで痛みを発生することがあります。
インナーマッスルの腱以外にも、滑液包という柔らかい袋のような組織が挟み込まれて痛みが発生することもあります。
インピンジメント症候群は、野球選手や水泳などの肩の痛みでもよく見られます。インピンジメント症候群について水泳選手で起こるものを詳しく解説したブログ記事はこちらになります。
肩関節周囲炎かたかんせつしゅういえん

上の二つの症状は、ある方向に動かしたときに痛いことが多いですが、どの方向に動かしても痛いと言う場合は、肩関節周囲炎の可能性があります。
肩関節周囲炎は通称、四十肩とか五十肩と呼ばれる症状ですが、年齢を問わず発生することがあります。
知らず知らずのうちに痛くなってきたというケースと、ある一つの動作後にいきなり痛くなってきたというケースがあります。
治し方
炎症期は安静が大切!

どの症状にせよ、痛みが強い時期(炎症期)は、患部の安静を保つことが大切です。
イメージとしては、↖イラスト左側のように、アームスリングや三角巾で吊っているような腕の形が基本的には楽だと思います。
三角巾で吊るまでも行かなくても、上着のポケットに手を入れて腕の重みを抜いていただいたりすると楽なことがあります。
また、寝るときなども↗抱き枕のようなものに腕を預けるような形にして、腕の重みが肩にかからないようにすると楽です。
仰向けで痛いときは、肘の下にバスタオルや毛布を丸めたものなどを入れてラクな姿勢になるようにしましょう。

痛い時期は市販の湿布などを利用するのも有効です。
痛みが落ち着いてきたら徐々に動かす

痛みが落ち着いてきて、少し動かせるようになってきたら、徐々に動かして行くようにします。
反対側の手で肩を抑えて、関節の動きをコントロールしながらゆっくりと行うことが推奨されます。
急にぐるぐると回したりすると悪化することが多いので、不安な時は病院や接骨院、整骨院などで専門家の管理のもと、少しずつ行っていただくことをお勧めいたします。

動かし方がとても大切
負荷のかけ方がとても大切です。
▽動作のスピード
ゆっくり → ふつうに → はやく
▽動作の強度
かるめ → ふつうに → 重め
▽動作の量
すくなめ → ふつうに → 多めに
と言う形で、とにかく最初は慎重に動かして、痛みが出ないこと、悪化しないことを確認して次の段階にすすむようにしてゆきます。
肩甲骨・胸郭の柔軟性も大切!
【腱板損傷、インピンジメント症候群、肩関節周囲炎】になりやすい方に共通しているのは、
肩甲骨や胸郭の柔軟性が低下していることが多いということです。

肩の関節が痛くて動かすことができない時期でも、無理のない範囲で肩甲骨や胸郭を動かしてゆくことも大切です。
痛みが落ち着いてきたら↓のような大きな動きのストレッチも積極的に行なった方がよいです。

再発防止
日ごろから運動をするのがベスト
再発防止は、日ごろから適度な運動を行っていただくことが大切です。

普段行わない動きを急に行うから痛くなるということが多いので、なるべく日頃から運動して、いざという時に痛くならないようにしましょう。
運動は何でもいいですが、特定の動きだけするものよりは、いろいろな方向に動かすものが良いと思います。
ピラティスやヨガなどは運動経験が無い方でも比較的行いやすいものだと思いますので、お勧めになります。
スタジオやジムに通う時間がない方は、テレビで放送しているラジオ体操をテレビと一緒に行っていただいたり、YouTube動画で何か体操を行ってもらうだけでも効果があります。
まとめ
今回、ライブで肩を動かした時に肩を痛めてしまったという患者様のケースをもとに説明してまいりました。
大切なことは、どこが痛みの原因になっているのか?というのをしっかりと把握した後に、それに応じたリハビリを行っていくことになります。
一般の方が、自分の肩の痛みがどこにあるのかというのを正確に判断するのは難しい部分があります。
早めの段階で専門の医療機関で診察を受け、治療や施術を受けていただくことをお勧めいたします。
当院でも、そのような肩の痛みに関して幅広く施術を行っております。
患者様のご年齢、ご職業、運動量やご希望などを細かく聞いた上で、無理のないリハビリプランを立てさせていただいておりますので、ぜひご相談ください。
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