座ってできる腰痛予防は呼吸を利用しよう

カラダのこと

人生で一度も腰痛を経験しない人は少ないのではないでしょうか?

接骨院で日々、患者様のお身体のケアをしていても、腰痛のご相談はかなり多いです。
特に、現代人に起こりやすい腰痛のひとつに、座りすぎによる腰痛があります。

座りすぎの腰痛に対する予防法としては、こまめに立ち上がることがありますが、
ここでは簡単な方法として呼吸を使った腰痛予防について説明します。

この記事を書いた人

長友 芳之(ナガトモ ヨシユキ)

柔道整復師・JSPO-AT
神奈川県横浜市鶴見区『ながとも接骨院』にて活動中。

※施術者としての個人的見解も若干含んだ内容ですので、お読みになる際はご留意ください。

一言で腰痛といっても、いろいろなタイプの腰痛がありますので、一概には言えないのですが、基本的に座った状態で長い時間いるとカラダが硬くなり、上半身の重みが腰に集中して、腰痛が発生しやすくなります。

根本的な解決策としては冒頭に書きました通り、こまめに立ち上がっていただいて、動き回ったりすることをお勧めいたしますが、仕事内容や移動時間など、そうもいかないケースがあります。

そんな時に、座った状態で呼吸をしっかりと行うことで、腰痛の予防につながる可能性があります。

方法 良い姿勢➕深い呼吸

方法は、姿勢を良い状態にして、深い呼吸を意識します。

長友芳之
長友芳之

ここでいう良い姿勢とは、骨盤、体幹、頭がまっすぐになっている状態になります。

姿勢と呼吸の深さは関係していて、良い姿勢では深い呼吸に、反対に悪い姿勢では浅い呼吸になります。
良い姿勢を取った方が前述の腰にかかるストレスが減りますので、基本的には良い姿勢を取っていた方が腰痛予防になります。

長友芳之
長友芳之

5秒くらいかけて、ゆっくりとおなかや胸をふくらましながら息を吸って

ふくらんだ分、今度は長めに吐いて(7秒くらい)しぼんでゆくようなイメージです。

すでに腰痛があって、良い姿勢を無理にとろうとすると身体が痛い場合は、痛くない範囲で背筋を伸ばし良い姿勢にします。

背中はよい姿勢を保ったまま、呼吸で体幹部が風船のよう膨らんだりしぼんだりするような意識で行うとよいです。

レベルアップ 横隔膜をうまく使う

上記の様に、いつもより呼吸を深く意識するだけで、腹圧が安定して腰痛予防に効果がありますが、もっと効果を高めたい場合は、横隔膜をしっかり使うことが大切です。

横隔膜をしっかり使うためには、肋骨の動きとおなかの動きをシンクロさせてゆくのがオススメです。

以前、横隔膜をしっかりと使った呼吸の仕方という動画を作成したことがあります。

この呼吸法を座っている時に意識するようにすることで、腰にかかる負担が減らすことができると考えています。

横隔膜の動きと胸郭、腹部の動き

横隔膜は息を吐いている状態では下のイラストの右側➘のように、ドーム状に上に盛り上がっています。

息を吸うときに左側↙のように横隔膜が収縮しながら下に下がります。

同時に肋骨の部分は周りの筋肉の調整された動きにより全体的に膨らんでいく形になります。
このようにして、胸郭の部分の体積が広がって、肺に空気が入っているわけです。

吐く時には胸郭の面積がしぼみながら横隔膜も上に戻っていき、肋骨は閉じていく。

この時に、胸郭(肋骨の部分)と腹部(おなか)は同じ方向に動きます。(シンクロする)


臨床の現場で腰や首が痛い方の施術をしていると、症状が長引いている方というのは、この呼吸を行ってもらおうとしても、うまくできないことがあります。

特に、吸うことができるけれども、しっかりと吐けない=肋骨が閉じていかない という方が多いので、まずはしっかりと吐く時に肋骨を閉じる事を意識していただくと良いかと思います。

この呼吸時の身体の動き方は、私が所属しているアスレティックトレーニング学会の講習で、トレーナーの大貫先生の講義を聞いて知った内容です。

このメカニズムを習ってから、自分自身も普段の生活で取り入れてとても助かっています。

皆様もぜひ行ってみてください!


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