呼吸を最適化して腰痛予防する方法【デスクワークの腰痛】Optimize your breathing to prevent back pain

体幹部の悩み【くび、腰など】


座りすぎの腰痛に対する予防法として、呼吸を使った腰痛予防についてご紹介します。

腰痛に運動療法が良い と言う話は聞いたことがあるかもしれません。
最近の研究では、呼吸エクササイズも腰痛に効果がある というデータが出てきています。

当院でも、施術の一環として呼吸エクササイズを取り入れていて、一定の効果が出ています。
動画も含めてなるべくわかりやすく解説しますので是非最後まで読んでください。

この記事を書いた人

執筆者 長友芳之のイラスト
長友芳之

長友 芳之(ナガトモ ヨシユキ)

柔道整復師・日本スポーツ協会認定アスレティックトレーナー
神奈川県横浜市鶴見区『ながとも接骨院』にて活動中。

※施術者としての個人的見解も若干含んだ内容ですので、お読みになる際はご留意ください

参考文献
Jiao Shi et al. Effects of breathing exercises on low back pain in clinical: A systematic review and meta-analysis 2023

大貫崇 呼吸機能と体幹,横隔膜の関係性について 2019 

Erin B Chapman et al.  A CLINICAL GUIDE TO THE ASSESSMENT AND TREATMENT OF BREATHING PATTERN DISORDERS IN THE PHYSICALLY ACTIVE: PART 1 2016

Jena Hansen-Honeycutt et al. A CLINICAL GUIDE TO THE ASSESSMENT AND TREATMENT OF BREATHING PATTERN DISORDERS IN THE PHYSICALLY ACTIVE: PART 2, A CASE SERIES 2016

座りっぱなしは腰に悪い

一言で腰痛といっても、いろいろなタイプの腰痛がありますので、一概には言えないのですが、基本的に座った状態で長い時間いるとカラダが硬くなり、上半身の重みが腰に集中して、腰痛が発生しやすくなります。

長時間のデスクワークが。腰回りに与えるストレスについて説明している。椎間板筋肉、股関節、椎間関節へのストレスを詳しく書いている。

根本的な解決策としては、こまめに立ち上がっていただいて、動き回ったりすることをお勧めいたしますが、仕事内容や移動時間など、そうもいかないケースがあります。

そんな時に、座った状態で呼吸をしっかりと行うことで、腰痛の予防につながる可能性があります。

座ってできる腰痛予防法① = 良い姿勢+深い呼吸

方法は、姿勢を良い状態にして、深い呼吸を意識します。

ここでいう「 良い姿勢 」とは、骨盤、体幹、頭がまっすぐになっている状態になります。

よい座り姿勢と、悪い座り姿勢
良い姿勢は頭、胴体、骨盤が一直線に並んでいる

姿勢と呼吸の深さは関係していて、良い姿勢では深い呼吸に、反対に悪い姿勢では浅い呼吸になります。


良い姿勢を取った方が前述の腰にかかるストレスが減りますので、基本的には良い姿勢を取っていた方が腰痛予防になります。

呼吸の深さと座位姿勢の関係について示している 深い呼吸をすると姿勢が良くなりやすい
長友芳之
長友芳之

当院では、5秒くらいかけて、ゆっくりとおなかや胸をふくらましながら息を吸って

ふくらんだ分、今度は長めに吐いて(7秒くらい)しぼんでゆくようなイメージで御伝えしています。

すでに腰痛があって、良い姿勢を無理にとろうとすると身体が痛い場合は、痛くない範囲で背筋を伸ばし良い姿勢にします。

背中はよい姿勢を保ったまま、呼吸で体幹部が風船のよう膨らんだりしぼんだりするような意識で行うとよいです。

呼吸を風船に喩えて説明している。吸気時は風船が膨らむように。呼気時は風船がしぼむように

座ってできる腰痛予防② 横隔膜おうかくまくをうまく使う呼吸法

上記の様に、いつもより呼吸を深く意識するだけで、腹圧が安定して腰痛予防に効果がありますが、もっと効果を高めたい場合は、横隔膜をしっかり使うことが大切です。

横隔膜をしっかり使うためには、肋骨の動きとおなかの動きをシンクロさせてゆくのがオススメです。

良い呼吸 吸気時に胸郭と腹部が同じ方向に動く。胸部と腹部がシンクロする

以前、横隔膜をしっかりと使った呼吸の仕方という動画を作成したことがあります。文章で読むよりも、動画で見た方が理解しやすいと思いますので是非ご覧ください。

この呼吸法を座っている時に意識するようにすることで、腰にかかる負担が減らすことができると考えています。

横隔膜の動きと胸郭、腹部の動きの解説

横隔膜は息を吐いている状態では下のイラストの右側➘のように、ドーム状に上に盛り上がっています。

息を吸うときに左側↙のように横隔膜が収縮しながら下に下がります。

良い呼吸は横隔膜がしっかり動いている。

同時に肋骨の部分は周りの筋肉の調整された動きにより全体的に膨らんでいく形になります。
このようにして、胸郭の部分の体積が広がって、肺に空気が入ってゆきます。

吐く時には胸郭の面積がしぼみながら横隔膜も上に戻っていき、肋骨は閉じていく。

この時に、胸郭(肋骨の部分)と腹部(おなか)は同じ方向に動きます。(シンクロする)

これが理想的な呼吸法だとされています。

臨床の現場で腰や首が痛い方の施術をしていると、症状が長引いている方というのは、この呼吸を行ってもらおうとしても、うまくできないことがあります。

特に、吸うことができるけれども、しっかりと吐けない=肋骨が閉じていかない という方が多いので、まずはしっかりと吐く時に肋骨を閉じる事を意識していただくと良いかと思います。

参考文献②
2016 Bruno Bordoni et al. Failed back surgery syndrome: review and new hypotheses

2016 Bruno Bordoni et al.
Manual evaluation of the diaphragm muscle


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