手首の親指側に痛みが出る腱鞘炎を
**ドケルバン症(ド・ケルバン病)**といいます。
この疾患に対して、現在では
・ステロイド注射
・固定(サポーターなど)
・理学療法
を組み合わせて行うことが有効とされています。
しかし、
「治療を受けているのに、なかなか良くならない」
「再発を繰り返してしまう」
という方も少なくありません。
この記事では、そういった方に向けて
当院で行っている**使い方の改善も含めた包括的アプローチ”**について解説していきます。
この記事を書いた人

長友 芳之(ナガトモ ヨシユキ)
柔道整復師・日本スポーツ協会認定アスレティックトレーナー
神奈川県横浜市鶴見区『ながとも接骨院』にて活動中。
※本記事は、以下の研究報告を参考にしながら、個人的な臨床経験をもとに解説しています。
・Challoumas D, et al. (2023) Systematic Review
・Cevik J, et al. (2024) メタアナリシス
・Cavaleri R, et al. (2016) 徒手療法 or 注射
・WHATテストに関する研究(2013)
・MWMに関する研究(2025)
先天的に痛くなりやすい人がいる
ドケルバン症の発症には、先天的な要因が関わる可能性があります。

・腱鞘の形状
・腱の本数(長母指外転筋の分岐など)
・橈骨茎状突起周囲の骨形態
などの違いです。
また一般的に
・手をよく使う方
・女性(特に中年期以降)
・産後でホルモンバランスが変化している方
に多いとされています。
このように 『そもそもなりやすい方がいる』 という事なので、この点は念頭に置いて対応するようにしています。
まずは痛みを起こさないように 患部の安静を計る

痛みが強い時期は、
痛みが出る動作を避けることが最優先です。
痛みの出ない動作は基本的に行なっても問題ないことが多いです。
必要に応じてサポーターを使用します。
当院ではイラストのような親指と手首を安定させるタイプを推奨しています。
サポーターが難しい場合はテーピングも有効ですが、
長期間続けるとかぶれの原因になるため注意が必要です。
使い方の改善 ※すごく大切

ここが当院での徒手療法の大きなポイントです。
同じ動作をしていても
痛くなる人とならない人がいます。
その違いは、
どの関節に負担が集中しているか
です。
例えば物を持つ動作でも

・手だけで強く握って持つ人
・手・肘・肩を使って分散して持つ人
では、親指への負担が大きく変わります。
本来、上肢は
手首・肘・肩が連動して働く構造になっています。

このバランスを整えることで、
患部への負担を減らすことができます。
このような使い方の改善を行っていただくことがとても大切だと考えております。
逆に、使い方の改善をしないで腱鞘炎などを改善させるのはなかなか難しいとも感じています。
そのような考え方をベースに、他にも以下のようなケアを行います。
周囲の筋肉などのケア

ドケルバン症に関与する主な筋肉は
・長母指外転筋
・短母指伸筋
です。
これらの筋の緊張が高まると、
周囲の筋・筋膜の滑走が悪くなり炎症を助長します。

そのため、患部だけでなく、周囲の筋・筋膜を含めたケアが重要になります
神経のケア
これらの筋を支配するのは橈骨神経という神経です。

橈骨神経は肘の少し下で
回外筋という筋肉の下を通過する部分があり、
この部位で絞扼(ぎゅっと締め付けられる)されやすい特徴があります。

神経の滑走性が低下すると、
筋の働きにも影響が出るため、
この部分へのアプローチも有効です。
手根骨の動きを整える

手首には8個の手根骨(しゅこんこつ)という小さな骨があります。
この骨の動きが低下すると、
周囲の腱や関節にストレスがかかります。
特に
・舟状骨
・月状骨
・三角骨
の三つの骨は、直接筋の付着はないものの、手関節の動きに重要な役割を持っています。

手首の症状が長引くケースでは、これらの骨の動きの低下が関与していることがあります。
その場合、手技で動きを改善していきます。

適切な負荷をかける
炎症が落ち着いてきたら、
「使わなさすぎ」からの回復も必要になります。
・ストレッチ
・軽い負荷トレーニング
を段階的に行い、
組織の耐久性を高めていきます。
ただし、負荷の量やタイミングを誤ると再発するため注意が必要です。
ながとも接骨院からのお知らせ
当院では、上記のような考え方で、なかなか症状の改善しない指の症状に対して施術をご提供しています。
病院で治療をしているけど、なかなか良くならない と言う時はぜひ一度ご相談ください。

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