足の捻挫などの後に機能不全となりやすい 後脛骨筋(こうけいこつきん) という筋肉のトレーニング方法に関して自宅で簡単にできる内容を御伝えします。
動画にもしていますので、動画の方が良い方はこちらからご覧ください。
後脛骨筋とは 筋肉の作用

後脛骨筋は、すねの内側の骨 脛骨(けいこつ) から始まり、足の骨にくっついています。
主に足の内側のアーチを支える作用があるとされています。
後脛骨筋の筋の走行は以下のようになっています。

すねの骨の内側から始まり、内くるぶしの後ろを通り、足の内に回り込み、舟状骨(しゅうじょうこつ) という足の骨にくっついています。※厳密には舟状骨以外にも幅広く停止しますが、簡易的に表記する場合は舟状骨とする場合が多いです。
後脛骨筋は収縮すると以下のように、足首を内側に持ってゆきながら、かつ下に下げる作用があります。この動きを内反(ないはん)と呼びます。
実際の生活動作の中では足が床に固定されていることが多い為上記のような動きではなく、歩くときなど足に荷重がかかった時に足のアーチ構造を保つ働きを持っています。

後脛骨筋は、足に体重がかかった時にアーチがつぶれないようにささえる作用があります。
※足のアーチ構造とは、足のクッション機能のことです。アーチを鍛える方法に関しては他に動画を作成しています。
偏平足との関係
偏平足(へんぺいそく)というのは、簡単にいうと以下のように【アーチ構造が低下してつぶれてしまっている状態】をいいます。

もともと生まれつきアーチが低く、偏平足気味の方もいますし、もともとはアーチがしっかりしていたのに、日々の生活の中で低下してしまう方もいます。
この、偏平足になってしまう原因の一つに後脛骨筋の機能低下があると考えられています。
何らかの原因で後脛骨筋が、うまくつかえなくなってしまうと、アーチを支えることが出来なくなり、偏平足になりやすくなります。
偏平足になると、以下のように足の幅が広がるようになります。

すると、靴の中で指が圧迫されやすくなり、結果として外反母趾(がいはんぼし)や 内反小趾(ないはんしょうし)という症状につながるケースも多くなります。
このようなことから、後脛骨筋の機能を保つことは、間接的に様々な足のトラブルを予防することにつながると考えられます。

足首の捻挫と後脛骨筋の関係

後脛骨筋は足の捻挫を起こした際に、内側の骨の部分で腱が骨に挟まれるようになって、その結果機能不全になってしまうことがあります。
捻挫をはじめとする足首周りのお怪我をしたことのある方は、『怪我が治った』と思っていても、こういった筋肉の働きが完全に戻っていないケースがあります。
その場合、何年か経ってから足首に痛みが出てきたり、前述のアーチの低下=偏平足になっていくこともありますので、しっかりと元通り使えるように、後脛骨筋のトレーニングを行ってゆくことも大切です。
特に、スポーツをしていて足の内側が痛くなってしまう方は、後脛骨筋を中心とした足首周りのトレーニングを行うことで、症状が改善することがあります。
後脛骨筋の鍛え方
では、ここからは実際にどのように後脛骨筋のトレーニングを行うか解説してゆきます。冒頭のYouTube動画でも同様の内容を配信していますので、ぜひご覧ください。
器具を使わずに行う方法

一番簡単なのは。足を図のように動かすことでも鍛えることが出来ます。
赤い斜線のあたりに疲労感が出てくれば、うまく収縮できている証拠です。
普段、行わない動きを行うことで動きやすくする というイメージです。
10秒で3セット程行うとよいでしょう。※運動に慣れていない方は、7秒×3セット でもいいと思います。
チューブ・タオルで行う方法

①足をそろえて、タオルやチューブで巻き、そこから足を交差させます。
②足を以下の矢印の方向に持ってゆきます。
※膝はあまり動かさないようにします。これも、10秒で3セット程行うとよいでしょう。
メディシンボール行う方法
メディシンボールというトレーニング用の重たいボールがある方は、座った状態でそのボールを両足で挟むようにして持ち上げることでも、後脛骨筋のトレーニングを行うことができます。

重さによって負荷は変わりますが、この方法も簡単に両足鍛えることができてよい方法です。
立位で行う方法 ※スポーツ選手にオススメ
体重をかけて行なうと、より実践的な負荷をかけることが出来ます。

壁沿いに立ち カラダを壁からすこし離します。※壁に近い方の足を鍛えます。

ここから壁によりかかり、壁から遠い方の足を浮かします。

さらに、支えている方の足のかかとをすこし浮かすようにして、その状態をキープするようにすると、後脛骨筋を鍛えることが出来ます。
※踵はほんの少しだけ上げれば十分です。また、壁からの距離を遠くすると、負荷を強くすることが出来ます。
注意点 炎症がある時はムリをしない
足首の捻挫後や負担が強くかかった後は、関節に炎症があることがあります。
関節や関節の周囲に炎症がある状態で上記の後脛骨筋のトレーニングを行うと余計に炎症が増して、痛みが強くなってしまうことがありますのでご注意ください。
目安としては、行なった時に、違和感や痛みが強いときは中止してください。
痛みが起きている原因が、ただ単にトレーニングの刺激によるもので、続けてゆくうちに慣れてゆくものなのか、関節に負荷がかかりすぎて痛みがでているのかは、症状を確認しないと何とも言えません。
不安な時は専門の方に相談しましょう。
今後も、このような形でお体にまつわる情報を更新していきます。
ブログの他にも、ホームページ・Twitter・YouTube動画などで情報を更新しております。
ぜひご覧ください。
神奈川県横浜市鶴見区 ながとも接骨院
日本スポーツ協会認定アスレティックトレーナー、柔道整復師
長友芳之
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神奈川県横浜市鶴見区にある接骨院のチャンネルです。 健康にまつわる情報を更新してゆきます。https://www.youtube.com/@user-ld3wf5eg3s
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