前屈みになった時の腰痛の原因として多いものは、「椎間板の損傷」「腰の周囲の筋肉や筋膜の緊張」などが有名です。
しかし、実際の現場(臨床)では、そうした「教科書通りの原因」には当てはまらないケースに非常に多く遭遇します。
今回ご紹介するのは、前屈みになった時の腰痛で、なかなか治らないケースが、腸腰筋という筋肉が原因だったと思われるケースです。
この記事を書いた人

長友 芳之(ナガトモ ヨシユキ)
JSPO日本スポーツ協会認定アスレティックトレーナー・柔道整復師
神奈川県横浜市鶴見区『ながとも接骨院』にて活動中。
『ただ痛みを和らげるだけでなく、その方の職業・動作・競技特性を考慮して目標達成のお手伝いをさせていただいております。』
※科学的根拠に基づいた施術・情報発信を心がけていますが、
一部、施術者としての経験に基づいた見解も含みます。
「腸腰筋」とは?なぜ腰の安定性に必要なのか
腸腰筋は、股関節の前側(お腹の深部)にあるインナーマッスルです。主に足を持ち上げる時に使われる筋肉で、ランニングやウォーキング、さらにはスポーツ全般でよく使われる筋肉です。

腸腰筋は、背骨と骨盤から始める2つ筋肉が合わさり、股関節の内側で太ももの骨についています。
足が地面に着いている(立っている)状態では「腰椎(腰の骨)と脊柱を安定させる役割」がある と考えられています。
【臨床的解釈】なぜ「腰を曲げた時」に腸腰筋が痛むのか?

一般的に、カラダを前屈させたときは、後ろ側の筋肉が頑張って働くと考えられています
ただ、この時、カラダの前についている腸腰筋は何もしていないわけでは無く「身体がうまく前屈できるように微妙に脊椎の動きを調整する」と考えています。
そのため、腸腰筋が機能低下を起こしてうまく働かなくなると、前屈した際に腰椎の安定性が失われ、腰の深部に痛みが発生することもある とそのように解釈しています。
【症例紹介】40代男性:おじぎ(前屈)で腰の脇・深部が痛む

先日ご来院された40代男性の患者様の例です。
重い物を持った翌日から腰に強い痛みが現れ、ご自身でストレッチやセルフケアを試したものの改善せず、当院にいらっしゃいました。
- 主訴: 立位から身体を前屈(おじぎ)した時の腰痛
- 疼痛部位: 腰の真ん中ではなく、やや脇の奥深くに重い痛みがある

このような症状の場合、まずは「椎間板の右側部分のトラブル」や「腰まわりの筋膜の緊張」を疑います。
しかし、椎間板に負荷をかけるテストを行っても異常は見られず、腰まわりの筋肉や筋膜をほぐしても、痛みはとれませんでした。

そこで、2回目の来院時に今回のテーマである「腸腰筋の機能低下」を疑いました。
座った状態で、足を持ち上げるテストを行って腸腰筋の機能を簡易的に確認したところ、痛む側の足が明らかに重く、スムーズに持ち上げることができませんでした。
このことから、腸腰筋に何か問題があるのでは?と考えたのです。
腸腰筋に利かす ランジストレッチによる即時変化
その場で、腸腰筋の機能を改善させるための運動「ランジストレッチ(股関節前側を伸ばす運動)」を行ってもらい、腸腰筋の機能改善を図ります。
(※注意:急性ギックリ腰の直後など、痛みが激しい時期には行わない方が無難です)
ストレッチを行った直後、再び同じように前屈(おじぎ)をしていただくと、驚くことに前屈時の痛みがほぼ消失していました。
このように、特定のアプローチを行った直後に痛みが消える場合、「その部位(今回は腸腰筋の機能不全)が痛みの原因であった可能性が高い」と推測できます。
施術とセルフケアの指導
今回の方には、「何らかの原因で腸腰筋が機能不全を起こして収縮・弛緩がうまくできなくなり、前屈時に腰椎を支えきれなくなっていた可能性」をご説明しました。
そのうえで、再び機能不全を起こさないよう、ご自宅でできる腸腰筋のセルフストレッチと、正しく筋肉を使えるようにするトレーニング方法をお伝えして終了といたしました。
まとめ:教科書通りではない「あなただけの原因」を探す
今回ご紹介したケースは、あくまで私自身の臨床経験と観察に基づく一つのアプローチです。
全ての腰痛が腸腰筋で治るわけではありませんし、私の考えが様々な方の医学的見解と一致するわけでもありません。
しかし、病院の画像検査で「異常なし」と言われたり、一般的なマッサージや施術を受けても改善しない腰痛の中に、こうした「一見、関係なさそうな場所の機能低下」が隠れていることは、よくあります。
当院では、固定観念にとらわれず、患者様一人ひとりのお話をしっかりと聞いて、お身体の動きを丁寧に観察することで、本当の原因を探し出す施術を心がけております。
【当院の案内・各種リンク】
ながとも接骨院 公式ウェブサイト ※アクセス・料金はこちらでご確認いただけます。
https://www.nagatomo-sekkotu.com/
ながとも接骨院 YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC0RTH4mDOCVuf8qa8oQ6Lxg
ながとも接骨院 カラダブログ
https://nagatomosekkotuin.com/
※平日は受付順でのご案内となります(土曜日のみ予約優先制)。
当日の混雑状況は公式X(旧Twitter)で発信しておりますのでご利用ください。
https://twitter.com/nagatomosekkotu

コメント