ウォーキング・ランニングでのアキレス腱周りの症状について解説します。
ウォーキングやランニングを継続的に行なっていて、一度もカラダが痛くなったことがない人は少ないのではないでしょうか?
ランナーの方のカラダを痛みを調査したランナー世論調査2016によると、痛みの部位一位は膝ですが、足首から先の足部の症状もかなり多いことが分かります。
この記事を書いた人

長友 芳之(ナガトモ ヨシユキ)
柔道整復師・JSPO-AT
神奈川県横浜市鶴見区『ながとも接骨院』にて活動中。
※施術者としての個人的見解も若干含んだ内容ですので、お読みになる際はご留意ください。
アキレス腱とは 構造

アキレス腱は踵の骨【踵骨】とふくらはぎの二つの筋【腓腹筋・ヒラメ筋】をつないでいる太い腱です。
アキレスというギリシャ神話の英雄の唯一の弱点がここだったというのが名前の由来で。実際にこのケガに泣かされてきたアスリートは多いです。
このアキレス腱、踵の骨から2センチから6センチくらいの部分は特に血流が少ない部分で、ケガをしたりするとなかなか治り辛い部分でもあるのです。

余談ですがアキレス腱はこのようにねじれ構造をしています。
アキレス腱の周りにはいくつか重要な組織があります それが次の3つです。

- パラテノン アキレス腱の周囲についている柔らかい膜 栄養を補給する役割がある
- 滑液包 アキレス腱の前後にある摩擦をなくす柔らかい袋
- ケーガー脂肪体(KFP) アキレス腱の前側にある脂肪組織 足の動きに合わせて形を変えて、アキレス腱や筋、関節の機能を助けている
アキレス腱の周囲が痛い患者様が見えた際には、これらのうちどこの部分が一番痛いのか?を判定するところから施術がスタートします。各組織で治し方のポイントが少しずつ違いますので組織の判別は大切です。
治し方の基本 痛みの段階に合わせたリハビリが大切

①炎症期は 患部は安静&痛みを感じることをしないことが大切です。
痛みを起こしている場所によって何に注意すべきかは変わります。
例えばアキレス腱自体が痛みを発している場合は、この時期に無理にストレッチをかけたりすると悪化しますので、安静がメインになります。
②炎症が引いたら少しずつ負荷をかけてゆく。
炎症や強い痛みが引いてから、負荷をかけるようにします。ここでも、痛みを出している組織への適切な負荷コントロールが必要です。
以下は痛くなる場所別の解説です。
痛くなる場所① アキレス腱自体

まずはアキレス腱自体の痛みです。
図のようにアキレス腱自体に痛みが出ている状態です。
アキレス腱に伸長負荷(引っ張られるストレス)やねじれストレスがかかり続けた結果、痛みを発生している状態です。

押したときに痛みがどこにあるかを調べる検査では、図のようにアキレス腱のある部分に圧痛が出ます。
アキレス腱自体に痛みがある時は、ストレッチなども慎重に行う必要があります。行ったあとに患部が痛くなるような伸ばし方は基本的にNGです。
痛くなる場所② アキレス腱の周りのパラテノン

アキレス腱を栄養している膜です。この膜に痛みが出ることもあります。
このパラテノンの圧痛は、先ほど説明したアキレス腱自体の痛みとほとんど同じ場所が痛くなります。

ただ、アキレス腱自体に痛みがある場合は ストレッチ痛が出やすいのに対し、パラテノンが痛みの主体の時はストレッチ痛は感じにくい傾向があります。
実際にはアキレス腱の痛みなのか、パラテノンの痛みなのか? の判別は難しいのですが、圧痛の位置、深さ、動いたときの痛みの具合、歩行、ランニングの際どのフェーズで痛いか?を詳細に判別することである程度分別が可能です。
パラテノンが痛みの主体の時も、痛みのでる動きをなるべく避けるようにします。ストレッチをかけても痛みが強くならないようであれば、少しずつかけるようにしています。
また、パラテノンが硬くなって痛みを発生していることが考えられる場合は、マッサージを行います。
痛くなる場所③ アキレス腱の周りの滑液包

アキレス腱の動きを助けている滑液包に痛みを発生する場合もあります。

滑液包の痛みの多くは 靴の圧迫による痛み と考えられていますが、中には裸足で行う剣道・空手などの種目で痛いこともありますので、一概には言えません。

圧痛はこのように、アキレス腱の下の方に出るので、アキレス腱自体の痛みとは鑑別が可能です。
上記のアキレス腱やパラテノンとは痛い場所が少し違います。踵寄りの方の痛みになります。
滑液包炎は炎症がひどい時は外見からも膨れていることが分かることがあります。
靴の圧迫で痛い場合は、圧迫しないように靴を変えたり、クッションを入れたりすると改善してゆきます。靴の圧迫以外の原因の場合は個別の対応(動き方の変更など)が必要です。
痛くなる場所④ アキレス腱の周りの脂肪体

ケーガー脂肪体 と呼ばれる脂肪体です。この脂肪体も痛みの発生に関わることが多いです。
この脂肪体はアキレス腱よりもすこし前側の痛みが特徴です。


脂肪体の中も3区画にわかれていて、足の動きに合わせてそれぞれが特徴的な動きをします。
ケーガー脂肪体に痛みが出て居るときは、炎症と言うよりは硬さによる痛みのことが多い為、まずは少しほぐしてみて、様子を見るようにしています。
参考文献 https://doi.org/10.1111/j.1469-7580.2006.00510.x
まとめ

アキレス腱が痛い と言っても、細かく見ると上記のように様々な病態が含まれています。
その方の症状がどれにあてはまるのか?は上記のポイントをこまかく診る事である程度診察可能です。
中にはいくつかの症状が合わさって複合的に症状を出している方もいらっしゃいます。
自己判断で見誤ると結果的に長引いてしまう事もあるため、なるべく早めに専門の方のアドバイスを受けた方がよいと思います。
当院でも、アキレス腱を始め、足に起こる様々な症例の施術実績がございます。
アキレス腱の痛みでお悩みの場合はぜひご相談ください。
スポーツをなさる方なら種目に合わせて、お仕事で痛くなった方なら作業内容に合わせて、なるべく早く治るようにプログラムを組みます。
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