運動をなさる方に多い腰痛の一つに、「腰を反らすと痛いタイプの腰痛」があります。
球技スポーツやダンスをしている方に多いのですが、体幹の筋肉をうまく使えず、腰に負担が集中してしまうことで痛みが出ているケースが多いです。
今回は、当院で実際にお伝えした運動療法の一例をご紹介します。
こんな方にオススメ
・長時間のデスクワーク後に腰が痛い
・ダンスや新体操で反る動きが多い
・立ち仕事の終盤で腰が重だるい
・うつ伏せで本を読むと腰が痛い
この記事を書いた人

長友 芳之(ナガトモ ヨシユキ)
柔道整復師・日本スポーツ協会認定アスレティックトレーナー
神奈川県横浜市鶴見区『ながとも接骨院』にて活動中。
※科学的根拠に基づいた施術・情報発信を心がけていますが、
一部、施術者としての経験に基づいた見解も含みます。

ご紹介するのは20代女性のケースです。
普段はデスクワーク中心のお仕事をされており、趣味のダンスをすると腰が痛くなるとのことで来院されました。運動療法をお伝えしたところ症状が改善したため、ご自宅でもできる内容としてまとめています。
ただし、腰痛にはさまざまなタイプがあります。同じ「腰を反らすと痛い腰痛」でも原因や状態は人によって異なりますので、行ってみて痛みが強くなる場合は中止してください。
まず最初に行う運動|ドローイン

腰を反らしたときに痛みが出る方の中には、腰の後ろ側にある椎間関節や、骨盤にある仙腸関節へ負担がかかっている方がいます。
そのような場合、お腹の深い部分にある筋肉(腹横筋:ふくおうきん)をしっかり使えるようになることで、痛みが軽減することがあります。
まずはドローインから行ってみましょう。
やり方は、お腹を引き込むようなイメージでゆっくり息を吐いていきます。
5〜10秒ほどかけて息を吐きながら、おへその下あたりが軽く締まる感覚を意識してください。
動画ではこのように行います。
レッグレイズ&アーク
次は腰の反りすぎをコントロールするための運動です。
仰向けになり、腰と床の隙間を軽くつぶすように力を入れます。
骨盤を少し後ろへ傾けるようなイメージです。
その状態を保ったまま、片脚ずつ持ち上げます。
慣れてきたら、脚を持ち上げた状態からゆっくり下ろす運動へ進めても良いでしょう。
腰が反らないようコントロールしながら行うことが大切です。
ロールアップ&ロールダウン
少し難易度は上がりますが、ロールアップ・ロールダウンも非常に有効なことが多いです。
背骨は24個の椎骨が積み重なってできています。
それぞれの骨が順番に、なるべく均等に動くことで、腰への負担が分散されやすくなります。
お風呂のフタが一枚ずつめくれていくようなイメージで、ゆっくり起き上がります。
このとき勢いは使いません。
起き上がったら、今度はゆっくりコントロールしながら元の姿勢へ戻ります。
降りるときもバタンと倒れるのではなく、一つ一つの背骨を順番に床へ置いていくようなイメージです。
慣れないうちは手や肘で補助しながら行っても構いません。
勢いだけで起き上がる方法では、この運動の目的である背骨のコントロール練習になりにくいため、できるだけ丁寧に行いましょう。
ヒップリフト(ブリッジ)
最後はヒップリフトです。
この運動も背骨を一つずつ動かすことを意識します。
骨盤から順番に持ち上げ、肩から膝までが一直線になるところまで上げます。
そこから今度はゆっくりと下ろしていきます。
背骨を一つずつ床へ置いていくようなイメージで行いましょう。
最後に骨盤が床についたら力を抜きます。
5回程度を目安に、ゆっくり丁寧に行ってみてください。
動画ではこのように行います。
なぜこれらの運動が有効なのか
今回ご紹介した4つの運動は、すべて行わなくても構いません。
まずはやりやすいものを一つ選んで始めてみてください。
運動中に腰が痛くなる方は、本来働くべき筋肉がうまく使えていないことが少なくありません。
そのため、どれか一つでも丁寧に行い、正しく筋肉を使えるようになるだけで改善につながることがあります。
また、これらの運動は「腰の骨を適切にコントロールする能力」を高めるという共通の目的があります。
その結果、腰への負担を減らし、痛めにくい身体づくりにつながります。
現場でよくある注意点
これらの運動で最も多い失敗は、「勢いを使ってしまうこと」です。
特にロールアップやヒップリフトは、勢いで行うと狙った筋肉が働きにくくなり、かえって腰に負担がかかることがあります。
とにかくゆっくり行うことを意識してください。
また、これらの体操は1回行っただけで劇的な効果が出るものではありません。
毎日少しずつ続けることで、自分の身体をコントロールする力が身につき、腰を痛めにくくなっていきます。
なお、「腰を反らすと痛い腰痛」と一言で言っても原因はさまざまです。
今回ご紹介した内容が合わない方もいらっしゃいますので、行ってみて痛みが強くなる場合や違和感が続く場合は中止してください。
当院では、お一人おひとりの状態に合わせて運動療法をご提案しています。気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。

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